わたしの小さな窓

風がカーテンを揺らす

私のこと さらり

先日69歳になった 今もパートのおばちゃんとして 1日6時間週5日働いている 仕事は体が続く限りやるつもり そこそこ食べて ちょっこと旅行へ行けるぐらいの お金があると幸せだから 2000万円無いと老後が不安なんて言うけど 無理無理!そんなお金はない いつ…

カタツムリはかく語りて

柔らかな殻は何の防御になるのか? 角は角ではあるまい。 戦う事は前提ではないという事か? 確かに戦士では無い。 世間は敵か? そうとも言えないけど 防御力はさておき、まずはフル装備。 エスカルゴとは? サイゼリアのメニューを見ながら考える。 清潔に…

シャーマンの首飾り

夜に立つ 脳裏は澄んでいる 闇の中 見えないモノを見る 砂浜のほの白く光る貝殻を ひとつ ひとつ 拾い集め繋げて シャーマンの首飾りを作る 言葉は未来を語る ここに居るみんなが死ぬ 明日かもしれず ずっと先かもしれない 自分が望めば 生まれてきて良かっ…

円い死と棘のある死

小さな犬が 小さな胸を上下させて荒い呼吸を繰り返している 命が刻々と削られる この犬は死んでしまうのだ 私より先に死んでしまうのだ ついこの間まで仔犬だったのに こんなにみんなに愛されているのに 去年母が亡くなった コロナ禍で面会も出来ずにいた 最…

こぼれたビーズ

小さな厚紙の小箱 私の宝箱 久しぶりに開けるとビーズが零れ落ちた 幼かった娘がくれた ビーズの指輪の糸が切れていた 何年かぶりに帯広へ行った そこは私の中で特別な町だった 16歳の私がいた街 思い出も私とともに年を重ねるのかと思っていたけれど いつの…

月の無い夜 風の無い夜

暗闇の中の湖を見ている日が昇れば確かにあるはずの湖私は闇を見ているのか湖を見ているのか 愛を貪った後の暗い部屋で一人寝付かれずずっと鏡を見ていた結局別れたその人と私の間にはただいつも闇があったそれを愛と言うなら愛は見えない湖のように在るかも…

雨が好きだと言う気持ち

雨を待っている。 午後から降るとの予報。 なにやらはっきりしない空、降るの?降らないの? ずっと暑い日が続いた。 扇風機をフル稼働、家族それぞれに一台。 札幌はそれで寝苦しくて眠れないということもない。 日焼け止めを塗っても この時期には肌が何と…

顔を覚えられない人

相貌失認(そうぼうしつにん)と言う脳の障害があるそうだ。 人の顔を覚えられないのだ。 先日観た「百日の朗君様」に出てくる男性の脇役が相貌失認の設定で、そのせいで物語が都合良くこじれるのだけど。そんなドラマの重要な設定にチョイスされるほど、相…

日暮れ時 帰り道 ちょっとだけまわり道

日が沈むちょっと前の時間から 薄闇が漂う時間まで なんとなくくたびれた人が行き過ぎる歩道 朝の荷物に疲労が染み込み ずっしり重くなる だけどこの風 体の熱を拭う風が気持ちよくて もう少し外にいたい 必死に誰かを探して 一緒にいなくてもいい 一人もい…

暑い日

8月は、お盆と夏休みと高校野球と終戦記念日。暑い夏。 昭和2年生まれの父は志願して17歳で戦争へ行った。視力の良さと腕の長さを買われ戦闘機の射撃手になった。その戦闘機は、敵と戦闘する事無く故障して南の海に沈み、父と上官は泳ぎたどり着いた島で…

過不足の無い暮らし

過不足の無い暮らしを送っている・・・ こう思えるようになるのには 随分と長い時間がかかった。 努力家ではない私に、そうそう良い事ばかりは起こらない。 口を開けて待っていても棚から牡丹餅は落ちてこない。 年をとって あまり腹が立たなくなった。 今で…

小さな窓

一つ、窓が欲しくなった。 その窓を開けて 心の中に吹く風を送り出したくなった。 風? そんな大げさなものじゃないけど。 日々過不足の無い暮らしの中で ふっと沸き起こる思いを 留めずに解き放ちたくなった。 なんかいい事があったとき 知らず知らずに笑み…